石井町クリニックが専門とする、主な疾患についてのコラムです随時追加する予定です


心不全

「心不全パンデミック」という言葉があります。パンデミックとは、新型コロナウイルスのような感染症が大流行することです。

心不全は感染症ではありませんが、高齢者の増加に伴い、今後我が国で爆発的に患者が増加することが懸念されています。

心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、生命を縮める病気です。

弁膜症、冠動脈の動脈硬化、心房細動、高血圧などが原因になります。

心不全の診断は診察、レントゲン、心電図を基本として、心エコー(超音波)検査が極めて有用です。

血液検査でBNPという物質を測定することで、心不全の程度を評価できます。

治療は塩分制限に代表される生活習慣改善と、内服薬で開始します。

近年、心不全の新薬が増えてきました。当院ではガイドラインに従い、適切な薬剤選択を心掛けています。

弁膜症、冠動脈疾患、心房細動はカテーテル治療も可能です。心臓の状態を評価し、患者さんの意向を尊重したうえで、

カテーテル治療が出来る医療機関への紹介も行っています。

循環器専門医として、必要な検査、治療を実施して、機能が低下した心臓を護ることで、

心不全パンデミックに備えたいと考えています。


高血圧症

高血圧とは、安静時の血圧が高い状態です。上の血圧(収縮期)が140mmHg以上、または下の血圧(拡張期)が90mmHg以上の場合が高血圧です。原因として、塩分の過剰摂取、運動不足、遺伝など様々な要因が指摘されています。

副腎が分泌するホルモンの過剰によって、高血圧を生じることもあるので、ホルモン値の検査をお勧めする場合もあります。

自覚症状の無い患者さんがほとんどのため、健診を機会に受診されることが多い疾患です。

高血圧を放置すると、心臓病や脳卒中のリスクが高まります。

当院では家庭血圧を重視しています。家庭用の血圧計を準備して頂き、お渡しする血圧手帳に記録をお願いしています。

治療はまず、塩分制限、運動、禁煙などの生活習慣指導から開始します。

生活習慣を改善しても、十分に血圧が下がらない場合には、内服治療を選択します。

高血圧の治療薬は多種多様です。循環器専門医として、一人一人の患者さんに最適な処方を心がけています。


心房細動

人口の高齢化に伴い、診断する機会が増えている不整脈です。

心臓の鼓動の規則性が失われ、心不全や重い脳梗塞(脳塞栓症)の原因になります。

心臓の弁膜症や高血圧、甲状腺機能、飲酒など様々な要因が関与して発症します。

最新のアップルウォッチには、心房細動の診断機能が付加されました。

自動血圧計で血圧を測定するときの、エラーや不整脈表示を契機として心房細動に気づくこともあります。

不整脈が気になる場合には、ぜひ当院にご相談ください。

当院では、以下の3つの症状、合併症に注意して、治療方針を考えています。

 

1. 動悸

心房細動になると、動悸(脈の乱れ)、めまいや脱力感を感じることがあります。

治療薬として、抗不整脈薬やβ遮断薬という脈拍を遅くする薬を選択します。

専門医に紹介して、カテーテル治療(心筋焼灼術)を受けることも可能です。

患者さんの年齢や症状の強さ、治療に対する希望を踏まえて、最適な治療を検討いたします。

 

2. 心不全

心房細動は、脈の速い状態が続くことが多い不整脈です。

その結果、心臓が常に全力疾走する状態になり、やがて心臓の筋肉がへばって収縮力が低下する原因になります。

心臓のポンプとしての機能が低下するために、浮腫みや息切れを生じる状態が心不全です。

治療は、心臓の負担を減らすために、塩分制限と共に利尿剤や血管拡張薬を処方します。

さらに心臓の収縮力改善を目的として、脈拍を遅くするβ遮断薬を少量から開始することもあります。

 

3. 脳梗塞(心原性脳塞栓症)

心房細動の状態になると、収縮しなくなる左心房の中に血栓が出来る危険性が高まります。

血流によって大きな血栓が脳に運ばれると、他の脳梗塞よりも広範なダメージを受ける、心原性脳塞栓症を発症します。

心原性脳塞栓症は症状が重いため、予防が重要です。

年齢や高血圧・糖尿病の有無などから、リスクを評価して、必要な患者さんには抗凝固薬を処方します。

抗凝固薬にはワーファリンと、DOAC(ドアック)と呼ばれる新規抗凝固薬があります。

ワーファリンは、価格が安いことが最大のメリットです。

反面、頻回に採血を行い量を調整する、納豆が食べられない、出血のリスクといった欠点があります。

ワーファリンの欠点を改善した薬がDOACです。

DOACにも価格が高い、飲み忘れるとすぐに効き目が無くなるといった欠点もあります。

またワーファリンほどでは無いものの、年齢や体重等に注意して薬剤や量を決める必要があります。

当院では患者さんの血栓と出血のリスク、治療の希望を踏まえた薬剤選択を行っています。


糖尿病

糖尿病は、すい臓から分泌されるインスリンの作用不足のため、慢性的な高血糖状態が続く病気です。

インスリン分泌細胞が破壊される1型糖尿病と、過食や運動不足が原因になる2型糖尿病に分類されます。

糖尿病の怖さは、自覚症状が乏しいまま全身の血管が障害されて、重い合併症が進行することです。

細い血管の障害から、目の合併症(網膜症)、腎臓の合併症(腎不全)、神経障害を生じます。

太い血管の動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞の原因になります。

糖尿病の症状の一つに、のどの渇きがあります。糖分の多い清涼飲料水を飲むことで、血糖値が更に上昇して、

体調が悪化するペットボトル症候群という状態になることがあります。

治療は生活習慣の改善を基本として、必要な場合は治療薬を処方します。

一人一人の患者さんの食事の採り方 、インスリンの分泌能力などを評価して、オーダーメイドの治療を心掛けています。

当院は患者さんの血糖値を適切に管理し、大切な血管の障害を防ぐことで、糖尿病による合併症を防ぎたいと考えています。


睡眠時無呼吸症候群

夜間の睡眠中に無呼吸、低呼吸(いびき)を繰り返す疾患です。

代表的な症状は「昼間の眠気」「熟睡感がない」「いびきがひどい」などです。

交通事故の原因となったり、高血圧や脳卒中などの合併症が増えることが知られています。

当院ではご自宅で簡単に実施できる、簡易検査を行っています。

簡易検査の結果、夜間の無呼吸、低呼吸が多い場合には、精密検査やCPAPという装置による治療を検討します。

・CPAP(持続陽圧呼吸療法)について

当院は帝人、フィリップス、フクダ電子と契約し、遠隔モニタリングも実施しています。

上記3社の装置を使用している患者さんは、当院での治療継続が可能です。


慢性腎臓病

慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)とは、腎障害(たんぱく尿など)や腎機能の低下が3か月以上続いている状態です。

腎機能が低下すると、eGFRという数値が低下します。

当院で採血検査を受けた患者さんについては、お渡ししてる結果表の右側にeGFRが記載されています。

eGFRが60未満になると、たんぱく尿が無くてもCKDと診断されます。

たんぱく尿を伴うCKDは、進行が速いことも知られています。

糖尿病や高血圧、慢性糸球体腎炎などが原因となります。

初期のCKDは自覚症状がほとんど無く、気が付きにくいのが特徴の一つです。

早期であれば治療で回復可能ですが、進行すると人工透析が必要になることもある疾患です。

当院では尿検査やeGFR測定などで、CKDの早期発見を行い、生活習慣指導や投薬による進行予防に努めています。


脂質異常症(高コレステロール血症)

LDL(悪玉)コレストロールや中性脂肪が高い、あるいはHDL(善玉)コレステロールが低い状態が、

脂質異常症です。生活習慣病の一つで、健康診断で指摘されることの多い疾患です。

LDLは、肉の脂身やバターなどに多く含まれる、飽和脂肪酸のとりすぎで上昇します。

中性脂肪は、糖質や油もののとりすぎで上昇します。

遺伝によって発症する、家族性高コレステロール血症という疾患もあります。

脂質異常症は動脈硬化と関連するため、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まる危険性があります。

当院では、一人一人の患者さんごとに動脈硬化のリスクを評価して、治療方針を考えています。

治療は食事のとりかた、運動、禁煙といった生活習慣の改善から開始します。

内服薬は、多くの場合、医学的な有効性が確立している、スタチンという薬を選択します。

家族性高コレステロール血症や、特にリスクの高い患者さんには、注射薬を使用することもあります。

健康診断で脂質異常症を指摘された場合には、お気軽に相談して下さい。


花粉症

スギやヒノキの花粉で起こるアレルギー疾患です。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみが代表的な症状です。

スギ、ヒノキ以外にもハンノキ、ブタクサなどの花粉が原因になる場合もあります。

当院では、39種類のアレルギー源を調べられる View 39という検査を行うことで、注意すべきアレルギー物質の確認ができます。

治療は症状に合わせて、内服薬、点鼻薬、点眼薬を処方しています。

またスギ花粉症については、舌下免疫療法も実施しています。治療薬を継続的に舌下、内服することで、アレルギー症状を治したり、改善できる治療法です。